【PHP出版掲載 No.2】「親から習った金融知識」はいったん、忘れよう
お金の考え方は「アップデート」が必要
「お金は卑しいものである」……そんな感情が、江戸時代以来根強く、日本人の中に残り続けています。その後、明治、大正、昭和、平成と時代は変われど、この考えは変わっているように思えません。衣食住や働き方などは高速に変化し、人々の考え方もそれに伴って変化しているのに、なぜかお金への考え方は昔のままなのです。
その結果、お金について学校でしっかりと習うこともなく、マネースクールの数もまだまだ少ないのが現状です。
本来は他の知識と同様、お金の知識もどんどんアップデートしていく必要があります。にもかかわらず、「お金の常識」が、古いままずっと残ってしまっているのです。
私たち日本私産運用協会は、正しい金融知識をより多くの人に身につけてもらうべく活動しています。お金についての知識や経験も含め、すべてが大事なプライベートアセットだと定義し、資産ではなく「私産」と表現しているのも、それだけ「知識」が重要だということです。
私たちは正しい金融知識を身につけるステップを「知る」「作る」「増やす」「活かす」の4つにわけてお伝えしていますが、その中でも今回は「知る」ことの重要性についてお伝えさせていただきます。
「お金を預けるなら銀行が正解」だった時代
親からこんなアドバイスを受けた方もいるのではないでしょうか。
「預けるなら郵便貯金や銀行が一番」
「将来のために貯金をしっかりしなさい」
「海外は危ない。日本が安全」
そして、それをそのまま信じている方も少なくないでしょう。
確かに、「かつての日本」では、この考え方でもお金を増やすことはできました。ただ、「現在の日本」では、これはまさに「アップデートされていないお金の知識」の代表です。
高度成長期を経てバブルが弾けた1991年の前後で、日本は大きく変化をしています。
2018年12月現在のメガバンクの普通預金は年間金利0.001%、定期預金で0.01%。つまり、100万円を1年預けても、定期でも100円しか増えません。ATM手数料1回分よりも少ないですね。
一方、1970年代の郵便貯金の定期預金は金利8%を超えていました。「10年定期で金利11.9%」というものすら存在していました。つまり、100万円を1年預けるだけで、8万円~11万円増えるということです。「預けるなら郵便貯金や銀行が一番」というのは、まさにその通りだったのです。
1970年台に郵便貯金で定期預金していた方が、もし現代にタイムスリップしてきたら、今のメガバンクの金利に対して大きな不満を持つでしょう。
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